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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第062号       ’00−10−06★

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     バイリンガル

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Rational Process は共通言語

 

 

と何度か書きましたが、もしあなたがそのように認識し、職務のツール

として Rational Process を常用なさっていらっしゃるのなら、たとえ

<日本語オンリー>でも、実はすでにバイリンガル!  なぜなら、

 

一つは<あなた語>。  職場のベテラン、その道のプロとしての経験、

勘、度胸のすべてが載って、自然に口を衝いて<出る>言葉です。

 

もう一つは、状況に応じ「うん、このパターンで行こう」、と意識的に

<出す>、 Rational Process に沿った話法。

 

これら二通り、適切に使い分けることが出来ていれば<バイリンガル>。

 

そのくらい、言われなくたってやってるよ、、 ですか? なら、結構。

 

 

EM法研修では、講義の終わりに「そのように活用して、効果を挙げて

下さい」と締めくくるのですが、あまりお説教くさい話はまずかろう、

それをジョークに載せて、、 と教祖(?)に命じられておりました。

 

  我が国へ Rational Process をもたらし、それをKT法として広め、

  後にはEM法の創始者ともなったI氏は、いわばカリスマ性の人。

 

  「この技法こそ、、!」と力説することあまりに永く、その言動は

  まさに”EM<教>教祖”の趣きでした。  即ち、講師は伝道師。

 

我が教祖によれば、EM法とは単に教科書的な内容だけを指すものでは

なく、配付教材から研修カリキュラム、さらには講師の<演技>に至る

までの一式すべてを言う、、  ですから、そのジョークも<官給品>。

 

どちらかと言えばバタ臭いネタが得意の教祖ですが、これだけは日本風。

<バイリンガル>という題にしては、中身が。   ご紹介しましょう。

 

*  *

 

 首尾良く魚を失敬した母ネコが、それをくわえて意気揚々、子ネコを

 連れて家路を急いでおりました。 ところがあいにく、大きなイヌが

 現われ、魚をよこせと凄んだのです。  母ネコは少しもあわてず、

 魚を足下に置き、凄い目つきでイヌを睨むと、大きな声で(何と!)

 「ワン!!」。  イヌはビックリして逃げ去る。  見届けてから

 母ネコは、子ネコを振り返ってやさしく諭しました。  「今はね、

 ネコだって2カ国語ぐらい喋れないと、生き残って行かれないのよ」

 

ですから、皆さんも<あなた語>だけでなく、、  と結ぶわけ。

 

***************

 

 

 

●どんなジョークにも

 

いくつかのバージョンがあり、そのどれがルーツなのかは容易に分かり

ませんが、それを語る人々の文化がそれぞれに反映されて甚だ興味深い。

 

<バイリンガル>も同様。  一番シンプルなのはマレーシア版です。

 

 田圃のあぜ道をネコの親子が歩いていたら、何と反対側からイヌが

 やって来て鉢合わせになりました。  道は細いし、周りは水です。

 どちらも譲れず、互いに睨み合う。  その一瞬、母ネコは大声で

 「ワン!」。  イヌはたまげて、田圃に転げ落ちてしまいました。

 そこで母ネコは子ネコに言います。 「ひとに負けたくなかったら、

 せめて2カ国語ぐらいはマスターしておかなくちゃ、ね」

 

 

USAバージョンは、やはりビジネスの雰囲気。

 

 <秘書募集>の広告を見て申し込んだネコが、面接試験を受けます。

 容姿OK。 電話の応対、接客、申し分なし。 ワープロ打てます、

 ファクスも送れる。 インターネットで情報収集? 何より得意!

 残った条件は、、 バイリンガル。  「では英語のほかの何語か

 で喋ってみて下さい」  ネコはためらわず、大声で「ワン!」

 

*   *

 

私が用いていたのはブラジル版。  実業之日本社の<ジョーク集>

シリーズに出ていました。  が、そのままではいかにも能が無い。

少し当世風に尾鰭を付けました。  いわば、私風バリエーション。 

 

 日本のネコはキャット・フードに馴染んでしまい、ネズミに食欲を

 感じるという殊勝なのは滅多にいやしない。  これはホントの話

 ですが、知人の飼い猫、台所でサンマと目が合い、ギョッとばかり

 たじろいだそうです。 今やそこら中、ネズミ駆除不能ネコだらけ。  

 

 ところでこれは、ネコが未だネズミを捕っている国での噺です。

 

 ノンビリ日向ぼっこしていたネコの耳がピクリ。 家の中の話し声

 が聞こえて来たからです。  オレのことらしい。 え? 何だ?

 

 「あなた、うちのネコ、棄てて来てよ。 怠け者になっちゃって、

 この頃はネズミ捕ったことなんか、ありゃしないんだから、、、」 

 

 うわ大変! 棄てられちゃ困るよ、ホームレスにゃなりたくない。

 こんな心地よい環境、これから見つかることはないだろう。 で、

 

 心を入れ替え、ネズミを追いかけ始めてみたが、いつの間に老化が

 進んだか、腕が鈍ったか、一向に捕まえられません。  追っても

 壁の穴に逃げ込まれてしまう。  もうショックで、焦るばかり、、  

 

 しかしさすが、ダテに歳は食わなかった。 アタマも使わニャア!

 と気付いて知恵を絞り、、、 うん、これだ、これで行こう!

  

 ネズミ穴の脇に構えて、大きく叫んだのです。 「ワン!」、とね。

 穴の中でネズミは考えました。 「おや? イヌの声だ。 つまり

 ネコはいないはず、、」  で、ウッカリ頭を出してしまった。

 

 すかさずネコが首根っこを押さえる。 ネズミはたまげて喚きます。

 「キタナイぞ! そんなのありかよ?」 キーキー、、、

 

 するとネコはおもむろに、 「世の中、キビシイんだ。 ネコも

 2カ国語くらい喋れなくちゃ、サバイバルが果たせないんだ」

 

*   *   *

 

ですから皆さんも、、 とつなぐには、多少身に迫るものを漂わせた

方が、、 で工夫したつもりです。  が、喋り終わるや受講者諸氏、

皆ニコニコ顔のパチパチ拍手。  ジョークがウケたのか、それとも

研修が終わった嬉しさゆえか、私には判じかねました。  どちらに

しても、<危機感>とはほど遠い雰囲気、、 楽観的な人たち、、?

 

周りは依然リストラの嵐、自分の将来を心安らかに眺めていられる人

などいなかったはず、、 でしたから。 え? これで良いのかな?

と首を傾げたこと、実はしばしばでした。

 

ジョークの中のネコじゃないが、<そこにいるだけ>みたいな年輩者

も少なくない日本のビジネス社会。  その教室にも<棄てられる>

ことになりそうな人がたしかいたように、私には、見えましたがね。

 

ローンの途中で<ホームレス>に?  ゾーッ! 考えたくもない。

 

*   *   *   *

 

それを<進歩>と言いたくないが、世の中どんどん変わってしまう。

今までこうして来たんだから、、 でノンビリ、、 は許されない。

 

何かしなくちゃ、、 気付いて励み始めても、遙かに若い、もしか

すると普段は見下してもいる世代の連中に出来ることが、自分には

とても歯が立たないと知る、、 いや、知りたくなどないが、思い

知らされてしまう。 その時、彼はそのショックに耐えられるか?

 

<棄てられる>ことにならずに済ませるには、何か新しいアイデア

を生み出さなくてはならない。  それは果たして、彼に可能か?

 

またそれを実行して、自分が未だ役に立つことを誰の目にも明らか

に示さなくてはならない。  そのチャンス、彼にあるだろうか?

 

ちょっと裏読みすれば、下手すりゃあんたも Vanishing Breed、、

と言っているのだから、そう呑気に笑って聞いてはいられないはず

のブラジル版ベース、私風<バイリンガル>のつもりでしたが、、

 

*   *   *   *   *

 

あなたには面白がって頂けましたかな?  

 

あるいはあなたの周りに、<いるだけ>の<ネコ>はいませんか?

その人、いつか気付いて、ワン!と吠えること、出来るだろうか?

 

<他人事>で気楽にシミュレーションしてみると良いでしょう。

その中に、自分にも当てはまる何かが見つかるかも知れません。

 

***************

 

 

 

●楽屋裏や仲間をネタに

 

するようでは、、 と内心忸怩たるものを秘めつつ、しかしながら

お互いの公平のために付け加えますと、事実は小説よりも奇なり、

 

そう喋っている講師自身、<バイリンガル>でない人が多かったの

です。  それが商売だからそう喋っているだけで、日常は全然別。

いくらホンネはタテマエ通りではないにしても、、  ハズカシイ。

 

 

だいたい、PCやネットを楽にこなす人が少なかった。  何しろ

<第二の人生>として<講師>を選んだ人たちだから、中身は古い。

 

そういうのが講壇に立ち、比較的若い受講者に向かって、教条的に

<プロセス>を説く。  自分の冒している危険は、知らぬが仏。

「こうするのが Rational なのです、、」とかヌケヌケ言ったり、

 

「問題・課題が明らかになれば、問題は半ば解決したと言える場合

が多い」なんて、重々しくEM法解説書を読み上げたりする。 が、

 

これは< A problem clearly stated is already half-solved. >、

即ち格言そのもので、そう気付いた受講者も多かった。  また、

 

<ノートン・ユーティリティズ>のマニュアル冒頭にも、「問題を

解決するには、何が問題であるのかを明確に、、、」とあるし、

 

「○○(ソフト)を使って企画書を作ろう!」などの雑誌記事でも、

<手順>や<プロセス>がEM法の解説書よりよほどキチンと解説

されていることがしばしば、、、    ああ、ハズカシイ。

 

つまり講師が喋るくらいのこと、何もEM法でなくとも説いている

わけで、すでにそれを実行している受講者さんも当然いらっしゃる。

 

だから講師は、<釈迦に説法>しちゃっているのかも知れないこと

を恐れるべきだ、、 と訴えたこともありましたが、アタマが固く

なりきった人々の認識や行動を改めさせるに至りませんでした。

 

せっかく受講なさったのに技法や講師に威力が感じられなかったと

すれば、それは、こういう基本的なものが欠けた人が解説したから

でしょう。     より具体的な<欠けた人>の例をひとつ。

 

  それはたまたま2教室並行式で、同僚N講師と私が担当した時

  のこと。  こちらが少し早く終わって、彼の教室を覗いたら、

  

  彼もしまい際、受講者の質問を受けていました。 「これから

  アメリカへ赴任するのですが、この技法はアチラで通用するの

  でしょうか?」  N講師、言下に答えるかと思いきや、長考

  一番、やがて自信なげに「使えると、、 思いますがねえ、、」

 

  冗談じゃない。  ルーツはアッチなんだよ、アッチ! 何を

  ヘドモドする必要があるんだね?  今も盛んにやってるんだ。

 

  ルーツから説明するも良し、何ならKT本社のウェブ・サイト

  へアクセスしてご覧、とか言いなさいよ。  一目瞭然だぜ、、

 

  しかし、横合いから口を出しては彼の講師としての立場に障る。

  そのままにせざるを得ませんでしたが、、、

 

 

まるで笑い話でしょ?  そんな<日向ぼっこでボケたネコ>たち

が何匹もいる。  しかもモノリンガルであることをやめようとは

しないのだから、もう棄てるっきゃない、、 んですが、ね、、

 

という手合いが、未だ講師をやっている。  いずれ、そんな話を

まとめて、<技法研修の限界>てなタイトルで書くつもりですが、、

 

ともかく<ブラジル版>で演じる資格の無い講師たちが少なくない、

ということ。  ああ、そこら中 Vanishing Breed だらけの日本! 

 

*   *

 

しかし何が消え去ろうとも、 Rational Process は不変かつ普遍の

原理。  特に、時間と空間を超えたバーチャル・ビジネスの世界

では、プロセスを無視して成功はあり得ません。

 

第一に、あなたの<日本語>をより効果的ならしめるツールとして、

第二に、<異文化>対応<異国語>修得支援ツールとして、論理の

骨組み Rational Process ほど融通自在なものは無いでしょう。

 

せっかく受講なさったのを錆び付かせたり、なくしたりしたのでは

いかにも勿体ない。  生き残るにはネコだって、、 ですからね。

 

                        ■竹島元一■

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